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次でいよいよ百球目だ。俺は額から流れる汗を拭った。
肩も指も、それに腰も。あちこちが痛い。
右手に持った球がずっしりと重たかった。
危なっかしいところもあったけれど、俺はストライクを投げ続けてきた。
ここまではパーフェクトで来ている。
十分に頑張った。そう思う。
だけどもう限界だ。
せめて最後はビシッと決めたい。
「先輩!! 最後です頑張って!!」
千夏ちゃんの声が耳に届いた。
俺はそっちに向かって一つ頷いて見せた。
視線を前に戻す。
ゆっくりと構え、それから振りかぶる。
「いっけぇぇぇ!!」
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