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一方、こちらは工場内部。男女がくっつきあって何か話している。小太りの男と、金髪の美女。男の目には彼女しか映っていない。一方の女は男に微笑みかけながらも、周囲を気にしていた。
「はいはい。いちゃつくのはそこまでよ」
何処からか女の声がした。小太りの男が振り向くと、背後に全身黒ずくめの3人組が立っている。
「お、お前ら何者だ」
突然現れた3人の男女に、小太りな男は声を張り上げた。彼の足はがたがたと震えている。
男の隣にいる金髪美女は黒ずくめの男女を見て、小さく溜息をついた。小太りの男は今回の対象者、政治家の息子。女はハニートラップをかけた張本人だ。
「あんたさ、自分が何をしたのか分かっているのか」
3人組の一人、短髪で大柄な男が声を張り上げる。彼の名前はトウリ。警察組織にあるTNTのメンバー。
「そんな女に騙されるなんてバッカじゃないの」
明るいブラウンの髪をまとめたナイスバディの女が、小馬鹿にしたような顔で二人を見比べている。彼女の名前はアン。彼女も特別任務捜査班の仲間だ。
「おい、無駄口叩かないでさっさと終わらすぞ」
黒髪で長身の男が鋭い目でバカ息子を睨み付ける。彼はリュウジ、十年前レイラを保護した男だ。
「みんな、どうやら正体がバレたようよ」
金髪女の一声でバラバラと迷彩服を着た男達が現れた。女をはじめ、それぞれが銃を手にしている。
「あんたは邪魔。あっちに行ってて!」 アンがオドオドしているバカ息子に近づき、放り投げた。
「やっぱり武器を持っているね。手ごわそうだよ」トウリが指をポキポキと鳴らす。
『policía』
『Kill them』
『полиция』
男達が何語かを発し、銃撃戦が始まった。特殊班のメンバーは方々に散らばる。
「セミオートをフルオートに改造してるよ。気を付けて」トウリが呼びかける。
「トカレフ、コルトパイソン……まったく銃の見本市みたい。こっちの方が不利じゃん」
物陰に隠れたアンが口を尖らす。次の瞬間、銃声が容赦なく鳴り響き、様々な銃弾が乱れ飛んだ。
「応援呼んだほうが良いんじゃない?」トウリが大声を張り上げた。
その間にも銃弾は容赦なく撃ち込まれている。
「立派な武器を持ったって、使いこなせなくちゃ意味がないんだよ」
リュウジはそう呟くと、敵の前に立ちはだかり、左右から飛び出してくる一人、また一人と弾丸を打ち込む。急所を撃ち抜かれた敵は倒れこみ、引き金に掛かっていた指は銃を発射させたが、それはリュウジではなく上空に放たれていた。
後に続くトウリは、かろうじて息のある男にとどめを刺し、アンはハニートラップを仕掛けた女と撃ち合う。
あたりには煙と血の混じった臭いが立ち込めた。
「これで終わりだ」
リュウジは最後の一人と思わしき敵に銃弾を撃ち込む。しかし、その時。
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