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「リュウさん、待ってよ!」
レイラは駆け出し、ずっと先を歩く黒髪の男に追いついた。リュウジは前を見据えたまま、足を止めない。
「ねぇ、リュウさんってば。ちょっと待ってよ」
「戦争はなくならない」
リュウジは低い声ではっきりと告げた。
「え?」レイラは歩きながら彼の顔を覗き込む。
リュウジは視線をレイラに移動し、口を開いた。
「でも、なくす努力はするべきだ」
彼女の頭にぽんと掌を載せる。
「あ、うん。そうだね」
レイラは微笑んだ。
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