ショウと翔

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ショウと翔

 どこにいても冷たい風が肌に突き刺した。それでも、あれから追われることはなかった。彼らはあたしたちに会ったと誰にも話していないのだろう。  今日も朝から曇天だ。ショウが空を見上げた。 「あ、雪だよ」  静かに白い雪がちらちらと、あたしたちの前に降りてきた。 「本当だ。綺麗だね」  空を見上げ、舞い降りる神秘的な白い光の粒を見つめていた。雪は止むこともなく二人の上に次々に舞い降りる。ここにはあたしたち以外、誰もいない。まるで雪が二人だけのために降ってきているような感覚に囚われた。 しばしの無言の後、ショウがそっとあたしの肩を抱きしめる。 「レイラ、寒い?」 「ううん。ショウあったかいね。こうしていると……すごく落ち着く」  あたしの言葉は細く白い息を吐き出した。 「ずっと、こうしていたいって思うよ。誰にも邪魔されずに」 「僕も同じだよ」  あたしたちは身を寄せ合ったまま、しばらく空を見上げていた。 「レイラ、僕は最期にどうしても会っておきたい人がいるんだ。一緒についてきてくれるかな」 「え?」  ショウは昔の話を始めた。あたしとショウがはぐれた10年前、そのちょっとあとの話。
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