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そして、10年前、リュウジに保護された白兎レイラは警察本部内にある警務部で事務をしている。彼女も一応、制服警察官だ。階級は巡査部長。
保護した時は肩まであった黒髪は、最近薄茶色になってきた。色が白く、はっきりとした顔立ち。人目を引く容姿だが、普段は黒縁の眼鏡をかけ、髪は地味なゴムで一つに括り、出来るだけ目立たなく仕事をこなしている。そして、お呼びがかかれば、TNTの任務に出向く。県外に行く事が多いので、警務部内では出張の多い雑用係だと思われていた。
彼女は10年前に保護された時から、人並み外れた身体能力を持っていた。そして頭脳も優秀だった。数か国語をあっと言う間に理解して、銃器の扱いもすぐに覚えた。それでも自分が何者だったか、記憶だけはなくしたままだったので、自分がどうしてそんな能力があるのか分からない。
白兎はエイジ班長がつけた苗字。ちなみにリュウジの千田も班長が決めたらしい。動物好きの班長が、レイラはウサギみたいで、リュウジはチーターみたいという理由だけでつけたらしいが、レイラはなんでも動物に結び付けるのをやめて欲しいと思っている。
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