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古強者の詩
レブナント
どうして貴殿は我が国に
命を捧げるのか
傭兵だったそなたを繋ぎ留めたわけが
この私のせいだったとしても
そこには何も責務は無くて
咎は皆無で
守護者の律を背負った戦士に
紋付きの鎧がどこか似合わない
頭を垂れたそなたから
私はいつも目をそらす
レヴ
どうしてあなたは剣を振るうの
なぜあなたは私を守るの
削ぎ落としたのは私の仇の腕
助けたのは幼い仔猫の灯火
だから私はついていく
この人猫の身が
その寂しげな瞳に写らなくてもいいから
今日も私はあなたのそばに立つ
ラブネェルゥトォ!!
ワシの愛しい妻を殺した罪人よ
我が領土に戻るがいい
首にかけた縄を引き
貴様の首を泥に落としてくれようぞ!
腸を引きずり出し
奴隷どもに喰わしてくれようぞ!
宵闇を怖れるがいい
ワシは常に貴様の影に潜む
――
数多の戦場で
十四の時から柄を取り
命のやり取りを繰り返してきた
いつ失ってもよくて
いつ死んでも構わなくて――
なのに
俺を用い
俺に付きまとい
俺を追うものが
生きて戻れと声をそろえて言う
主に応え
娘をかしずき
敵に引き裂かれるまで
俺は生き
返る人であり続ける
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