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「俺は不倫とか嫌やねん。あとあと面倒やんか。目立たんように生きたいねん」
「目立たんように!どの口がそんなんいう?べっぴんさんのアーティストとランチデートして、パンツもらって、芝生で重なり合ったのに」
「重なってない。あいだにラジオ置いてたもん。彼女とは15センチぐらい離れてた」
「ラジオ!なんでそんなん置いてたん?カモフラージュ?」
「なんのカモフラージュやねん。俺らが平日にやってるレギュラー番組聞いてたんや」
「ラジオ聴きながら、真面目な話なんかでけへんやんけ。ムード歌謡か?」
「逆にムード歌謡でも真面目な話はでけへんと思うで」
「嫁と別れるつもりや、とか言うたんか?」
「なんでそんなん言わなあかんねん」
「そやかてパンツ一枚で買収されたんやろ。嫁からもパンツもらったれよ。すねよるぞ」
「誰のパンツもいらん。女もんのパンツもろてもしゃあないやんけ」
「じゃあ何がいるねん。何をかぶろうとしてるねん」
「何もかぶろうとしてない。かぶるのはお騒がせした罪だけで十分や」
「お後がよろしいようで、ほなさいなら」
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