第1章

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高校に入学してから、ガラリと変わった環境に緊張しっぱなしだった去年。 今まで経験したことないことばかり、怒濤のように押しかけてきて、押し流されて。 弱い弱い私は、何度も心も身体も悲鳴をあげて潰れてしまった。 だけどその度に時に優しく、時に強引に私を起き上がらせてくれた采女と柴田くん。 何度感謝しても感謝しきれない。 誰かが開けた窓から、遠慮がちな風が前髪を揺らしてくすぐったい。 風の生まれた場所を見てみると、さっきの飛行機雲がやわやわ、水色に溶け始めていた。 もう、1年経つのかぁ……。 頭の中で呟いてみる。 早かったような、長かったような。 だけど、密度が濃かったことだけは、ハッキリわかる。
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