第1章

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先生が……『先生』してる……。 白衣を着て、腕まくりしている先生を見るのは初めてじゃないけど、 こうやって『生徒』側になるのは今日が初めてで。 トットットットッ……。 心臓が駆け足で跳ねるから、きっと私、今、マヌケな顔してる。 「今年一年、君たちの生物の担当になるわけだけど……」 ぷぷっ! 先生『君たち』だって!! いつも私や柴田くん、まとめて『お前ら』なのに!!! 「授業受ける心構えとか、準備物、提出物などに関して説明しておこう、と思う。 一度しか言わないから、メモ取ること。 知りませんでした、聞いてませんでしたとかいう苦情は一切受け付けない」 資料に目を落としながら、淡々と話す先生は私もよく知ってる姿で、 それはそれで、なんだかくすぐったい。 「ということで。 ―――――――羽村」 「うふぇ?」
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