彼女を狙う敵

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「朝飯食ったら稽古付き合えよ」 「別に構わないが…」 襖を開け、部屋に入ってきた政宗からの言葉にさくらは、少しだけ考えてから小さく頷きながら承諾した。 朝食後 さっさと済ませたさくらは、一旦部屋に戻ってから大型刀を背中に背負い、庭に向かった。 庭に着いた時、さくらは微かに遠くから感じる戦の匂いに気付いた。 間違っても政宗が大将をしている軍からでは無いと、確信は出来ている。 「待ったか?」 「いや、今来たところだ」 「そうか」 「あぁ」 自分の後に来た政宗からの言葉に、さくらはそちらを見てから小さく頷いてから言った。 「稽古の前に、一つ手合わせしろよ」 「…構わないが…」 ふと政宗は彼女の実力を知りたいと思ったのか、上機嫌そうに笑いながら言い、返ってきた返事には更に気を良くした。 気を良くしつつ、刀を構えた政宗は腕組をしたまま構えない彼女にきょとんとした。 「構えねぇのか?」 「あぁ」 彼女からの返事に、政宗は不思議に思いながらも手加減はしたくない為、先手を取った。 自分に向かってきたのを見たさくらは、腕組を解いてから、背に有る大型刀の柄を掴んだ。 彼女目掛けて刀を斜め下から振り上げたが、瞬時に何かに弾かれてしまう。 「♪~、やるじゃねぇかアンタ」 「…世辞だけ受け取っておく」 さくら自身、手加減が難しい為高速剣では無く、風斬りで対抗した。
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