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「そいつは我流なのか?」
「まぁな」
政宗からの刀裁きを風斬りで対抗しながら、さくらはさらりと正直に言った。
彼女自身…守られてばかりは嫌なのだろう…そう政宗は感じた。
「流石はオレが見込んだgirlだな」
「…ふん」
彼女に近付き、斜め下から再び振り上げようとした政宗だが、ハッタリを仕掛けたのか横一線に刀を振った。
それを見たさくらは、一歩後ろに下がってから、高速剣で弾いた。
彼女に弾かれてしまうも、好敵手との戦いと同様に楽しくなってきたのか、政宗は怯まず刀を振るった。
半刻後
「やっぱり、アンタ強ぇな」
「…世辞なら要らねぇぞ」
「素直じゃねぇのもcuteだな」
「ふん」
彼女の力を試し終えた政宗は、上機嫌そうに刀を鞘に納めてから言いつつ、頭を撫でてやった。
「近々足利を狙いに行くつもりなんだが、来るか?」
「…余所者の俺が邪魔じゃなかったら行っても良い」
政宗からの言葉に、さくらはそちらを見てからさらりと言いながら大型刀を背に背負った。
流浪として各地を渡り歩いてきたが、今や帝の地位に居る足利義輝については、少しだけ風の噂で知っている。
「忍を飛ばすのか?」
「取り敢えずはな」
「そうか」
彼女からの問い掛けに、政宗はそちらを見つつ肩を竦めながら言い、小さくニッと笑った。
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