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「…気持ちだけ受け取っておく」
必ず自分を守るという政宗からの言葉に、少なからずさくらは内心で嬉しいと思った。
さくらは少しだけ胸騒ぎを感じていた。
両親達の仇討ちとは言え、敵を倒したとしても死んだ者が生き返るわけではない。
「…忍に見られてるのか?」
「さっきからな。まだ手を出して来ねぇから恐らくは俺の様子見だろ」
同じく、忍の気配に気付いた政宗は四隣を見ながらさくらに聞いた。
少しだけ手痛く迎撃するかと彼女は考えているのかも知れない。
「少し見て回るか?」
「いや…俺一人で行く。軍の大将がむやみやたらに本陣を離れたら元も子もないだろ」
自分に付いて来そうだった政宗からの言葉を、さくらはやんわり断ってから風魔の気配がした方向に向かった。
一人で向かう彼女の背中を、政宗は少しだけ心配そうに見つめながら見送った。
本陣から離れた場所に来れば、さくらは警戒をしながら歩いた。
案の定、待ち伏せをしていたのか、彼女目掛けてクナイが数本投げられた。
咄嗟に気付いたさくらは、高速剣では無く風斬りでそれらを打ち落とした。
それと同時に、つむじ風と共に忍-風魔小太郎-が現れた。
「…………」
言葉を発せず、ただただ風魔は彼女に敵意を表していた。
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