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「そろそろ行くか」
さくらの安全を確認してから、政宗は愛馬に乗り走らせ始めた。
自分も馬に乗ってから後に続きつつ、さくらは何かを感じていた。
近い内に、松永は自分を狙いに動くだろうと…。
武田領地
伊達軍が進軍している間、幸村は井伊軍との戦に向けて準備をしていた。
幸村からの命令で、敵軍の視察をしていた佐助は、帰り道のついでにと思ったのか、あれほど小十郎から釘を差されているさくらの事を調べていた。
調べて分かった事は、彼女が小国の姫だった事、幼い頃松永軍に城を攻められ両親達を亡くしている事、姫には何かしら秘術が有る事が分かった。
「(やっぱり睨んだ通りだねぇ…何つ~重たいものを背負ってんだよあの子は)」
佐助は小さく苦笑いを浮かべながら思い、幸村の元へと急いだ。
とある場所にて
「卿を其ほどまでにするとは…いやはや、多少彼女を見くびっていたようだ」
帰って来た小太郎からの報告に、松永は言葉とは裏腹に笑みを浮かべていた。
「………」
「近い内に私自らが彼女にお目にかかるとしようか。何、彼女の目を封じる薬は此方に有る」
一切声を出さない小太郎の様子に、笑みを浮かべたまま、松永は傍に有った小さな壺を手にした。
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