閉ざされた姫の瞳

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「(……逃げたか…)」 内心で思いながら、さくらは大型刀を背中に背負ってから政宗が向かった場所へと足を向けた。 気配を探りながら何とか着けば、警戒を高めつつ、再度背負っていた大型刀を完全に抜いた。 今の状態では二人を見れないが、気配からして政宗が得意とする六爪流を、帝が真似をしてから彼を押していた。 音等でさくらは無意識に自然と体が動いたのか、政宗の前に行けば帝からの攻撃を幅が広い大型刀の背で防いだ。 「…怪我してるじゃねぇかさくら」 「かすり傷だ」 余裕が有る様な気配の足利を、さくらは後方に飛ばした。 政宗からの言葉に、彼女の右の二の腕にはいつの間にか裂傷が出来ていた。 恐らく、松永との戦いで付いてしまったのだろう。 「目を封じられている女子か。久秀は中々興味深い事をするな」 さくらの様子を一目見た義輝は、不敵な笑みを浮かべながら感心した。 政宗の六爪流は真似出来たが、彼女の技等はまだ見たことが無いため様子見をしようと彼女目掛けて駆け出した。 「……お前は避けてろ」 後ろに居る政宗に頼んでから、さくらは気配だけで自分に向かってくる義輝を捉えたのか、最大力の高速剣で迎え撃った。 流石に予想していなかったのか、義輝はまともに彼女の技を受けたように見せた。 攻撃の反動で出来た土煙で二人の視界を遮ったのか、義輝は後方に避けている。 「中々良い技を持っているな朋よ」
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