閉ざされた姫の瞳

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まだ薄れない土煙の中から、笑みを浮かべたままの義輝は武器を振るった。 それと同時に飛んで来た無数の斬撃を目の当たりにしたさくらは、辛うじて大型刀の背で防いだ。 「(ちっ…真似されたか)」 自分にしか出来ない高速剣を簡単に真似されてしまい、さくらは内心で舌打ちをした。 防御した彼女の前に、土煙を突き破ってきた義輝は再び政宗の六爪流を真似てから、短時間で腕力を上げたのか片手に握っている三爪で彼女を後方に飛ばした。 流石に堪えきれなかったのか、さくらは背中から壁にぶつかった。 「がっ…」 仇敵との激しい戦いで少しだけ疲れが出ていたのか、彼女は限界に近かった。 「朋よ、それで終わりでは無いだろう?」 まだ余裕綽々な義輝は彼女に近付きながら言ったが、瞬時に足を止めてから警戒した。 「アンタに引導を渡すのはオレだ」 いつの間にか構えていた政宗からの言葉に、義輝は遅れを取ったのか青い雷を受けた。 「大丈夫か?」 「…何とかな」 政宗はさくらを守るように前に立ってから聞いた。 大型刀を支えに立ち上がろうとしている彼女の様子に、戦が終わったら休ませるかと考えている。 敵に攻撃をさせる隙を与えないため、政宗は六爪流で対峙した。 背骨が軋むのを我慢しながら、立ち上がったさくらは大型刀を背に納刀した。 先程まで余裕だった義輝は、徐々にだが政宗に押され始めていた。
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