閉ざされた姫の瞳

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今まで政宗は、あまり女性に興味が湧かなかったがさくらだけは違った。 彼女と初めて出逢った時から、何があってもさくらは必ず守り通すと決めている。 「…目が開いたら行きたい場所が有るんだが…」 「言ってみな」 「…俺がガキの頃に居た城だ」 さくらからの言葉に、政宗は少しだけ思考を巡らせた。 「…そうか」 彼女にとって辛い場所かも知れないが、自分が傍に居るだけで安心出来るのならば、自分も付いていこうと考えている。 「(見に行った所で何も変わらねぇかも知れねぇけどな)」 さくらは内心で思いながら、隣に居る政宗の存在に、不思議と安心出来ていた。 少しずつさくらも、政宗とは離れたくないと思い始めている。 「傍に居てやるから、お前は休め」 「……分かった」 気を使わせたくないと思いながらも、少しだけなら体を休ませる方が良いとさくらはそう考えたのか小さく頷いた。 先に立ち上がった政宗に手を差し出されれば、さくらは躊躇いながらも手を重ねてから立ち上がり部屋に入った。 既に敷いていた布団に入れば、さくらは無意識だが少しだけ気恥ずかしそうにしていた。 政宗が傍に居るだけで安心出来るのか、さくらは直ぐ様眠りに付いた。 眠ったであろう彼女の様子に、政宗は小さくフッと笑いつつ安心させるよう頭を撫でてやった。
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