優しいあなたに

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大学の少しほこりのざらざらする部屋でみんなで車座になって話を聞いていたら段々と眠くなった。 長い間拭かれていない窓は屋外の強い日差しを柔らかにしてくれていた。 説明会は淡々と続いていく。 バスケ部の合宿の栞を読み上げるだけの内容だから眠ってしまっても大丈夫かな。 そう思ってウトウトいたら隣にいたユウが私をチラッとみるとゆっくり静かに手を伸ばした。 私の頭を抱えるようにすると自分の肩の上に傾けさせる。 安定した頭の位置。 そのまま体ももたれてユウに預けてしまう。 ユウの香り、多分香水なんだろう。ふんわりとお花の甘みの含んだ香りに深く息を吸いそのまま意識を手放していった。 目が覚めた時には、誰かに包まれてる感覚がした。 体を起こして伸びをしながら周りを見渡す。 説明会は終わったばかりでみんながバラバラに立ち上がって次々と部室の外に出ていっていた。 「よく眠ってたね」 「ん…」 大きく伸びをする。 ユウの指が私の着ていた麻の混じったシャツの襟を整え、髪をすいた。 彼の整った顔は私の目に心地よく映る。 女子校育ちでどうしても異性にぎこちなくなる私がこれ程に心が許せるのは相手がユウだからだと思う。 苦手意識より、ずっと見ていたいと思う気持ちが強くなる。それくらいにユウ魅力的だった。 ユウは大学で男の子の中で初めて友達になった人だった。
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