優しいあなたに

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ユウの指が髪をかき上げ耳に触れる。 ビアスを撫でる手がちょっとくすぐったい。 「かなちゃんのチョイスなの、かなちゃんておしゃれだよね」 かなちゃんは私の従姉妹だ。大学に入ってからは同窓生でもある。 「…山口にもらったの、最近?」 「そう先週の日曜にかなちゃん家にお呼ばれしたの」 先週の日曜は私の誕生日でかなちゃんのお母さん、私の母の姉でもあるんだけど、その一家が誕生日パーティーを開いてくれた。 最近、自炊に疲れてたし、かといって買ってきたお惣菜にも飽きてきていたから、手のこんだ家庭料理の味に相当に飢えていた。 だからすごく幸せだった。 手作りの方がなんか味付けもやさしいんだよね。
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