750人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
「他の誰が颯斗のことを何と言おうとも、俺が好きなのは颯斗だけなんだ。これからも、絶対に離すつもりはない」
定期的に囁いてくれる告白は、ようやく最近少しだけ赤面せずに聞けるようになってきていた。
今回、見た目はお似合いの天王寺の存在や人気俳優としてのプロフェッショナルな姿を現実的に目の当たりにした俺は、どうして翔琉が平凡すぎる俺を選ぶのか。
都度説明してくれるとはいえ、まだまだ疑心暗鬼でそんな疑問が付き纏ってしまっている。
だが、これからはこんな俺でも少しは翔琉の力になりたいと痛感した。
翔琉に強く抱き締められたままの俺に、そんな気持ちが芽生え出していたのは決して嘘じゃなかった――。
余談だが、最終日に翔琉から頂いた高額すぎるバイト代は、近い将来免許を取るための貯金にしようと密かに決意したのであった。
END
最初のコメントを投稿しよう!