第11話・桜舞う空の下で

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「今までも何度かこうやって、お前に触れてきたけど……。やばいな、焦る」 「な、何で焦るんですか……」 「時間かけてじっくりしてやりたいのに、我慢してた分思い切りがっつきてえ。……お前はどっちがいい、煌夜」  そんなの、俺に選べる訳がないのに。 「お、俺も。……どっちも、して欲し、です……。……理人の選択なら、間違いないから……」 「煌夜──」  覆い被さってきた理人をしっかりと抱きしめ、肩に、首にキスをする。俺の鎖骨から胸元へと唇を滑らせた理人の頭を抱きしめれば、そのまま熱く尖った胸の突起に唇を被せられた。 「っあ……!」  昂りが止められなくてすぐに反応してしまった俺のそれが、下から理人の腹を押し上げるようにして芯を持ち出す。だけどこれまでと違い、俺に恥ずかしいという気持ちはなかった。 「煌夜、愛してる」  理人も俺と同じだったからだ。俺の乳首を啄み舌を這わせながら、その男の証は俺以上に雄々しく猛っている。それを見ているうちに今まで一度として考えたことのなかった思いが込み上がってきて、俺は堪らず理人に訴えた。 「理人。俺も……理人の、触ってもいいですか」 「えっ」 「……駄目ですか」 「い、いいけど。まさかお前がそんなこと言うと思ってなかったからよ……」  俺自身も思っていなかった。だけどセックスが「互いを求めてする行為」というなら、俺だってされるばかりじゃ物足りない。理人に触れ、俺で感じ悦んでもらいたい。  あぐらをかいた理人の前で片手をシーツにつき、もう片方の手でそれを握る。 「………」  そして、ゆっくりとその先端を含んでいった。 「っ、……煌夜、……」  理人が荒い息と共に俺の名前を呼ぶ。それだけで嬉しくなって、更に理人を悦ばせたくなる。俺は何度もその裏側に舌を這わせ、窄めた唇で何度も扱き、先端から溢れ出る理人の体液を吸い上げ、嚥下した。 「も、いいって……! これ以上は……すぐイっちまう」  何においても俺より経験豊富な理人なのに、こうして慌てる姿を見るのは何だか可笑しかった。 「まだ少ししかしてませんけど」 「充分だって……。やべえな、今の記憶だけでこの先一か月は持つわ」 「持つって、何がです」 「こっちの話」  はぐらかすと同時に再び理人が俺を押し倒す。  唇で肌を愛撫され、丹念に撫でられ、握られ、キスをされ舌で解される。何度も俺を守ってくれた理人の大きな手の動きは、泣きたくなるほど優しかった。  その手が、俺の脚を押し広げる。濡れた先端を突き立てられた時、本当に俺の目尻から涙が零れてしまった。「大丈夫か?」それでも俺は理人の囁きに何度も頷き、両腕で首にしがみつく。 痛みは生きている証だ。この痛みを受け入れられるからこそ、理人を愛していると言えるんだ。
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