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村はボロい柵(杭に二枚の細長い板を打ち付けただけ)に囲われていた。それが途切れている所が入口なのだろうが、村の名前の看板も案内人も立ってない。勇者に対する礼儀がなってないな。だが俺はそんなことでいちいち腹を立てたりしない。強者の余裕というやつだ。
村に入るとちらほらと村人があらわれた。昼間だから村に残っているのは老人と女子供ばかりと思ったが、意外と若い男が多いな。
遠巻きに俺を見ているだけで、誰も近づいてこない。話しかけようとしたら微妙な表情を浮かべて離れていく。
もしかして言葉が通じない? それは困るぞ!
「あの、もしかして異世界の人ですか?」
顎に手を当てて唸っていたら、一人の村娘が声をかけてきた。
英語はわからなくても異世界の言葉はわかるらしい。転生チート万歳。
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