始まりの村

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「モンスターとかに襲われませんでした?」  おそるおそる娘が聞いてくる。 「いや、大丈夫」 「よかったぁ」  娘がほっとした顔で微笑んだ。よほどモンスターが怖いのだろう。勇者の俺の敵ではないだろうが。 「勇者みたいな強そうなクラスだと無茶をする人もいますから。気を付けてくださいね」 「どうして俺が勇者だとわかった!?」  服装からは勇者とまでわからないはず。やはり抑えきれない「勇者オーラ」がにじみ出てしまうのか!? 「ああ、今来たばかりでしたね。ええと、ステータスビューはもう見ました?」 「端の方にあるアイコンのことか?」 「それと同じものが相手の胸のところにも見えるはずです。そこを見つめると相手のステータスビューが表示されます」  すばらしい。ステータスビューを見るという名目で堂々とおっぱいを凝視することができる。  では、さっそく。  娘は胸の前で腕を組んでいる。見えない。  娘の顔を見る。  娘も俺を見る。  無言。  俺は欲求に忠実な男。少々の気まずさくらいで俺を諦めさせることはできない。  無言。  娘が頬を赤く染めながら、そっと腕組を解いた。  勝った。さすが俺!
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