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静かだ。怖いぐらい……。
心に蓄積した全てを吐き出し、和巳さんを見返した。
「そうだね。今言ったこと全部ひっくるめて、俺は鈴が好きだ。ナルシストだからな~。俺のこと大っ好きな鈴が、俺も大好き」
なん……。
尋常じゃなくややこしいけど、そうみたいだ。
非常に恥ずかしい時間だったけど、これで終われる。そう安心したのだけど、期待を裏切り彼は耳元で囁いた。
「……、って言って。それで、本当に最後」
「え! そ、それはちょっと……!」
「言わないと入れてあげないよ」
まだ腰を撫でられ、性器を誇示される。あぁ、やっぱりこの人は意地悪だ。怒らせたせいなのか、それとも少し酔ってるせいか。
分からないけどこのままじゃずっとお預けかもしれない。鼓膜に張り付いた、和巳さんの“お願い”。それを言うのはかなりの試練だったけど。
唇を噛んで、声を出した。
「俺は……和巳さんにすごく愛されてる……っ!」
こんな……こんな恥ずかしい台詞を強要されるとは。もう顔が熱すぎてとけそうだ。
体重が掛かる。
ハッとして起き上がるより先に、その衝撃は全身に伝わった。
「ふっ……ああっ……!!」
中を強い力でこじ開けられていく。瞬きもできずに仰け反った。口を閉じることもできず、甲高い声が部屋に響いてしまう。
来てる。────今までで一番、深いところへ彼を受け入れている。
「鈴、俺がこんな事するのってどうしてかな」
「あっ……和巳さんが、俺を好き……だからっ」
馬鹿みたいだ。頭も身体も馬鹿になってしまった。だらしなく脚を開き、彼から与えられる快感に泣き叫ぶ。
もちろん痛くて腹が押し潰されうなほど苦しいけど、彼が動くと同じタイミングで鳴いてしまう。
「その通り。鈴、忘れないように今日でしっかり覚えなよ。お前は俺に愛されてるんだ」
彼の汗が流れて、俺の肌に伝う。熱すぎる体温で蒸発してる。溶けそうなほど熱いのに、背筋と腰はぞくぞくして震えていた。
「はい、リピート」
「お……俺、和巳さんに……愛されて……」
もう、本当に勘弁してほしい!
「ひゃあっ!!」
そう思うのに、変な体位で激しく突かれると感じきった声が抑えられない。身体も心もめちゃくちゃにされた気分だった。
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