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「これ、何?」
私が尋ねると、芳樹は、
「クリスマスプレゼント」
と笑って答えた。
「開けてもいい?」
「もちろん」
私はさっそくリボンを外し箱を開ける。すると、中から出てきたのは、ハートの付いたピンクゴールドのネックレスだった。
「うわっ!! かわいい!!」
飛び跳ねて喜ぶ私を、芳樹は微笑ましそうに見つめる。
「ピンクゴールドの可愛い感じが、麗子に似合うと思ったんだ。気に入った?」
「うん!! もちろん気に入ったよ!! ありがとう、芳樹」
私はそのまま芳樹に飛びつき、周囲の目も気にせずに、頬にキスをした。芳樹は照れ臭そうにしているけれど、私はお構いなしにキスし続けた。
ホテルに戻ったのは、午後九時を少し回ったところだった。私は持ってきたバッグの中から、芳樹へのプレゼントを取り出す。仕事中でもいつも身近に置いてもらえるように、シャーペンとボールペンのセット。
本当は芳樹のように渡すシチュエーションまで考えていればよかったのだろう。だけど、今からじゃ大したことはできないし、これから出かけるという雰囲気でもない。何より、私は長崎のことは何も知らないから、どこに行けばいいのかすらわからない。
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