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店長は誰で、本館はどこ
「もしかして、店長さんでもあるのですか?」
シオリの問いかけに、セバス君は口をつぐんだ。お客様には言えないお店の秘密にでも触れたのだろうかと心配すると、ミキがフォローした。
「あのねぇ、店長は人間って、法律で決まってんの。アンドロイドが店長やってると、お縄になるよ」
納得したシオリが頷くと、セバス君は、やっと解放されたとばかりに去って行った。後ろ姿を見ていたミキは、右の手のひらを半分のメガホンの形にして口の横に置き、シオリに向かってささやいた。
「実は、ここの店長、今まで見たことない」
「でも、いるのよね? ここにいなければ、本館とかに」
「その本館、どこにあるか知っている?」
「知らない。今日初めて、ここの存在を知ったし」
「実は、本館って存在しないのさ」
「はあ?」
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