アゲラタムを一輪

6/8
42人が本棚に入れています
本棚に追加
/240ページ
グランマに案内してもらい部屋が並ぶ長い廊下を進むと、避難した住民らしい人達とすれ違う。 様々な国の方々が居て、皆人の良さそうな人達ばかりだった。お辞儀をしながら簡単に挨拶を済ませる。不思議なことに、言葉が通じない人が居らず皆日本語を話していた。グランマも瞳が青く、英語圏の方なのだろうが日本語を話している。 「 着きましたぞ、結衣殿。依子殿は少し神経質でしてな、置いている置物などは位置を変えないことをお勧め致しますぞ 」 そう言い残しグランマが去った後、私の目の前には0196と書かれた扉。神経質な人なのか、気をつけよう。そして私は扉をノックした。 「 開いてるわよー!どうぞー!」 中から元気な声が答えてくれる。 「 お邪魔します 」 ドアノブを下げ扉を開けると、バニラだろうか?甘い匂いが迎えてくれたのだった。
/240ページ

最初のコメントを投稿しよう!