アゲラタムを一輪

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熱い紅茶を一気に飲み干し、おこがましい事にお代わりまでしてしまった。 ふふっと笑う依子さんが目の前のソファに腰掛ける。 「 気持ちは落ち着いたかしら?」 膝の上に肘を置き、手のひらに顎を乗せる依子さんはやはり大人びていて、25歳にもなって大人の色気一つ出ない自分が恥ずかしくなった。 「 はい。ありがとうございます 」 「 何から聞きたい? 」 聞きたいことはたくさんある。でもまず最初に聞かなければいけない事、それは 「 夢の中でないのなら、ここはどこなんですか?」 今自分が置かれている状況である。
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