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 おそらく、たまたま後ろの席にいるからという理由で何点だったかと問われた。答えれば、良いほうだ、すごい、と返事がある。自分は赤点ぎりぎりだった、とも言われ、おれは愛想笑いを返した。  中学二年、一学期の中間テストが終わった。  こうしておれは超えたかった相手を上回った。今日のサイダーはきっと格別だろう。  格別だろうが、ここはまだ通過点なのだと気がついた。  百パーセントの宮守には勝っていないままだし、まだ百パーセントの力でテストに臨むようになるかもわからないのだ。そもそも宮守の眼中におれの姿はないだろうし、認識もしていない相手と対等になんてどうしてなれるというんだ。直接、発破をかけてやらねばなるまい。  あいつは路傍の石ころに話しかけられたらどんな反応をするのだろう。  そもそも、なんて話しかければいいんだ?  ●  いつもどおりだ。いつもどおりにそこそこの高得点だ。これ以上高ければ目立ってしまうのでちょうどよい、と思う。  幼かったぼくはいつも百パーセントの力で生きていた。テストでは百点を連発し神童呼ばわりで、かけっこではぶっちぎりで一位だしほかのスポーツでも負けなしだった。
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