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褒めてあげたいけど、彼は怒るだろうか。素直に喜んでくれるだろうか。ぼくが余裕ぶっていると勘違いして気分を害したりしないかな。
ぼくと彼は正反対だろうから、ぼくならこういうときこう思う、というのが通用しないだろう。ぼくは褒められたら喜ぶけど、正反対の彼は怒るのかな、悲しむのかな。わからないから声はかけないでいようかな。
あいだを取って声をかけやすい感じにはなっておこうか。
○
翌日、登校してきて教室に入るや、級友たちの視線に晒された。
口にしていたはずのおはようも疑問符とともに飲み込まざるを得ず、理解できないのも束の間、級友たち数人がいっせいにひとりの男子を指した。
わが目を疑った。
宮守がそれまでのミディアムヘアはどこへやら、おれと同じソフトモヒカンになっている。
どうしてだ。おれの影響なのか? おれが何かしたか。……いや、まさか向こうも点数で張り合っていたということなのか? そんなバカな……だっておれは路傍の石ころだぞ?
固まったおれに首を傾げる宮守。いや、こっちだよ疑問だらけなのはよ。言葉を探していたのは相手も同じだったようで、やがて小川に笹舟を流したみたいな声で問われた。
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