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「似合う?」  すっかり緊張感が解けてしまった。おれは気の抜けた笑いとともに、なんでだよ、とようやく突っ込めた。  聞くところによれば向こうもおれを気にかけていたらしい。なんでもおれは頑張り屋だそうだ。おれと同じ状況ならあんたでもそうしているだろうと返すと、そうかな、と腑に落ちないようすだった。クラスメイトが周りにいたのでそれ以上の会話はやめることにし、離れ際、おれも宮守を気にしていた旨を告げて、昼食後の昼休みに中庭で会う約束をした。  ――昼休み、中庭のベンチから青空を眺めている。 「面と向かって言うのもどうかと思うが、あんたのこと主人公みたいだな、と思っていた」  いまのおれはテンションが高かった。ふだん絶対に言わないセリフだって吐ける。  どういうところが、と聞かれて、おれは日ごろから感じていた宮守の主人公性についてまくしたてた。背が高いし顔もいい、声もいいし性格も個性的だ。見ていて飽きないし華がある。実力を隠していたせいか、底知れなさを感じて、ミステリアスな雰囲気までまとっている。  だからおれが注目していたのは当然のことだと力説した。  あんたもおれを気にかけていたな、頑張り屋だったか、と教室内での会話を繰り返す。
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