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 おれと同じ状況ならあんたもそうする、と答えたおれだが、おれの状況を知らないだろうし腑に落ちないのも当然だろう、と自身について話すことにした。  おれの家は貧乏で両親の折り合いも悪い。父はギャンブルに明け暮れ、母は仕事で忙殺されている。顔を合わせれば喧嘩をするような家だが、おれが家で勉強しているときは静かなもんだった。だからおれは家ではできるだけ勉強している。時間に対するリターンはあまりない、そりゃあピリピリしたなかでやっているから頭に入ってくるはずもない。  家に帰りたくなくなることもあるが、ここで家に帰らなければそれこそもうウチはおしまいだと思う。  あんたがおれだったら逃げるか? と問うてしまってから首を振った。こんな問いに意味などない。  忘れてくれ、と忘れられないだろうに口にした。ならば話すべきではないと内省しつつ、返事があった。  忘れるよ、と。  その微笑みに甘えて、おれは打ち明ける。  あんたの百パーセントを見てみたい。  宮守は二、三度まばたきして、いいよ、と請け負った。しかし、大勢の目に触れないかたちにしたいということで、過去のテストをふたりで解いてみることにした。再戦だった。
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