ある日、異世界に召喚された

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 愛する男性と結婚して、まもなく子供を授かったのは 春先のことだった。 平凡だけれど、幸せな毎日。妊娠生活も順調だった。  初産だったが、医師も褒めてくれるほど安産だった。 生まれてきた子は女の子。大きな目に、ぴょこぴょこ動く手。 ちゃんと人間の形をしてるね! って夫に話したら、笑われてしまった。あたり前だろ?って。 そうだね、あたり前だね。 生まれてまもない子供を、そっと抱きしめるように眠った。 なんの不満もなかった。幸せだった。それなのに。  目覚めた世界は、愛する夫も娘もいない、 見知らぬ異世界だったのだ。      
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