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 なんだかんだ言ってもしょーちゃんに気を許されてるのが嬉しくて、 「……受かんなくても知んないよ? 南高」  俺の口調はつい甘くなってしまう。 「俺、しょーちゃんと一緒の高校行きたいんだけどなー」  まったく。 「なにも地元の都立にこだわらなくても、御堂くんならあの〇〇高校でも、なんなら△△高校でも余裕ですよ」なーんて、じーさんや親父を焚きつける周囲の声、あんなに苦労して封じたのに。  しょーちゃんと同じ、家の近くの志望校。  この辺じゃ伝統あるトップ校だからって親父たちをなんとか納得させたところで、肝心のしょーちゃんが受かんなかったら、全然意味ない。
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