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「あ、御堂(みどう)先輩」 「じゃあ」  返事を待たずにさくさく体育倉庫の裏から出ると、降り始めたばかりの霧雨の中、こっちに歩いて来てたしょーちゃんと出くわした。 「あ。やっぱ、れーじゃん」  やったぜみたいな顔で俺のこと見上げる、きゅるっとした瞳。  それが内心すっごい嬉しいのに、 「しょーちゃん、声、デカ」  わざと迷惑ぶった声を出す俺は。 「そう? さっき俺、絶対れーの後ろ姿見たと思ってさー」  そんな俺の態度を気にもとめずにこにこしてるしょーちゃんを、くるっと回れ右させて、校舎の方へ並んで歩き出す。
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