14人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
「あ、御堂先輩」
「じゃあ」
返事を待たずにさくさく体育倉庫の裏から出ると、降り始めたばかりの霧雨の中、こっちに歩いて来てたしょーちゃんと出くわした。
「あ。やっぱ、れーじゃん」
やったぜみたいな顔で俺のこと見上げる、きゅるっとした瞳。
それが内心すっごい嬉しいのに、
「しょーちゃん、声、デカ」
わざと迷惑ぶった声を出す俺は。
「そう?
さっき俺、絶対れーの後ろ姿見たと思ってさー」
そんな俺の態度を気にもとめずにこにこしてるしょーちゃんを、くるっと回れ右させて、校舎の方へ並んで歩き出す。
最初のコメントを投稿しよう!