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口とがらせてぷんぷんしてるしょーちゃん。
でも多分、怒るの続かなくて、すぐに他の話に夢中になっちゃうしょーちゃん。
そういうとこも、ちびっこって言われちゃうんだよね。かわいくて。
俺は胸の中でこっそりため息をついた。
小柄な上に童顔で、いつもにこにこしてて。
サッカーとかのチーム競技が得意でリーダーシップもとれるんだけど、たまに天然入って。
男女問わず、いつも友だちに囲まれてる。
うん、まさに王子だと思う、しょーちゃんって。みんなに慕われる王子様。
俺とは――見た目と成績がよくて家が小金持ちなだけの俺なんかとは(って自分で言うとあれだけど、ただの事実だから仕方ない)、まるで違う方向性。
考えてたら妙に息苦しくなって、歩きながら制服のシャツのボタンを一つ外した。ついでに軽く首をまわす。
視界の隅に、廊下の窓の向こうの鮮やかな青紫のかたまりが映った。
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