光みたいな

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　中庭に植えられた紫陽花。うちの庭でお手伝いの弓江さんがせっせと世話してるやつと、同じ種類に見える。けど、色が違う。

「そっか」

　俺は思わず、口の中でつぶやいた。

　ってことは多分、ここの土は、うちの庭のとは違うんだ。酸性度――性質が。
　土なんて、どこも同じに見えるのにね。

　建付けの悪い図書室の扉を、しょーちゃんと並んで開ける。

　俺ら３年生のほとんどが部活を引退して、高校受験ってもんが現実味を帯びてきたせいか、学習スペースの席は結構埋まっていた。

　目が合うと顔を赤くしておじぎしてくる１・２年の女子たちに、適当に笑顔を返しながら、しょーちゃんと隣同士の席をなんとか確保する。