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「でも、坂井さんってさ中学の時不良と付き合ってたんだよね?」
そのときのあすかちゃんはさっきまでのようなふわっとした雰囲気ではなく
獣を狩るようなギラっとした目つきをしていた。
「ちがっ、それは…。」
私はあわてて口を閉ざす。
「私ねー、お兄ちゃんいるから知ってるんだよね。私のお姉ちゃんスポーツ推薦でともちゃんたちの中学校入ったの。違うって何か違うの?」
歯がゆい気持ちを抑えながら
「いや…。」と言うのがやっとだった。
「そういえば私さっき「そんな風に話せる女友達がいない」って言ったよね?
あれ、どういう意味か分かってる?」
私は黙って首を振る。
「ふーん。」
彼女は私を嘗め回すように見る。
「今日坂井と一緒にいた男子、こうきって言うんだけど私の幼馴染なの。」
そうだったんだ…。
「ねー、トモチャン、サカイサンの秘密バラされたくないよね?
そしたらさ、こうきがあの女に目移りしないように私とこうきの仲を取り持ってほしいんだけど。トモチャンならできるよねー?」
「それは…。」
「なにー?できないの?できるよねー?んじゃ、これからよろしくねー。
と・も・ちゃ・ん。あ、ちなみに言っとくけどこのこと誰かに言ったらすぐばらすと思っといてよー?」
彼女はそれだけ言うとスタスタと教室に戻って行ってしまった。
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