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4.裏
「ともちゃ~ん、お昼行こっか~。」
相変わらずふわふわした口調で話すあすかちゃんに声を掛けられる。
愛も誘おうかな。私は愛を探す。
「行こっか~。」
とそんな私を気にせず歩き始めるあすかちゃんを急いで追いかけ、愛に声をかけるタイミングをのがしてしまった。
外の階段まで来ると私たちは腰を下ろす。
その場所はあまり人が来なさそうなところだった。
「私ね~、ともちゃんと話したかったんだ~。そういえばさ~、ともちゃんって坂井さんと仲いいの~?」
「あ、愛のこと?うん!幼稚園から一緒だったんだ。」
「へぇ~。仲いいんだ~。私はそうやって話せる女の子いないからうらやましいなぁ~。坂井さんってどんな子なの~?」
無性に愛のことを聞きたがるあすかちゃんに少し違和感を感じつつ私は答える。
「いい子だよ。素っ気なさそうに見えるかもしれないけど根はやさしいんだよ。」
あすかちゃんはメガネを外す。
「でも坂井さんってさ…。」
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