必然にはなれない

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 それからというもの、椿と暇な時間には、このアプリで通話をするようになった。 「休日は何してるの?」 「んー、家でゲームしたりしてるかな」 「ゲーム好きなの? ゲームなら荒野行動はしてるよ」 「マジか、僕も荒野行動するよ」  椿は一人称が『僕』と言う子だ。最初は驚いたけれど、高い声や雰囲気でカモフラージュになって、とても可愛い。 「今度、椿が良ければ、一緒やる?」  流石に他のアプリに誘い出すのは不味かったかなと思った。  冗談交じりの駄目元だから、椿に嫌われたくない。 「え、う、うん。やる!」  やはり、声からしても戸惑っている様子の椿。  でも、ちゃんと承諾をしてくれたことで胸がホッとした。  嬉しいことに休日が同じという共通がある。  普段通りの会話を交えながら、時間が過ぎていく。  突然、前触れもなく椿が変わった質問をしてきた。 「竜也の好きなタイプはどんな?」  これは・・・・・・俺のこと、気になっている? いやいや、考え過ぎだな。  脳内で椿が竜也を言い寄るっている、無駄な想像が湧いてきた。 「俺は優しくて元気な子なら、いいよ」 「そういう子なら、誰でもいい?」 「うーん、流石に誰でも良くはないかな」 「そっ、そうなんだ。僕は?」  え? 僕は? って椿、やっぱり。 「うん、椿ならいいよ。大歓迎」  椿と話すのは楽しいし、元気で優しく接してくれる。そんな椿なら、彼女にするのに躊躇いは無かった。 「見た目より中身を見てくれる?」 「勿論」  声を震わせながら、質問してくる椿に対して、自信満々と答えた。  全然、大丈夫だよ。だって、椿の中身を惚れたんだから。
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