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もう止められない
※前回のお題で書いてしまった件
時間内の完結なので、そのまま載せます。
お題『車窓』
「〇〇駅に停車いたします。発車まで暫くの間、お待ち下さい」
電車が〇〇駅に停車した。
すると男子生徒達の声が窓の外から聞こえてくる。
「待ってよー!」
「早くしないと電車行っちまうぞ!」
息を切らしながら、電車までの長い歩道を猛ダッシュする生徒達。鞄を肩からずれ落ちそうになりながらも、電車に間に合う為に一生懸命だ。
その生徒達の中で、一際目立つ男子生徒が居た。
何時も、僕は車窓から一際目立つ男子生徒の彼を見ている。
決してストーカーではないし、この田舎ならではなのだから仕方ない。
どういう事かと言うと、毎日の電車が1時間に1本しか来ない田舎だからだ。
ここは田舎にある県立高校。
教室にある時計の針と教師を交互に見ながら、俺は長々と待っていた。
「ホームルームを終わります」
やっと教師の話が終わり、心がパッと花が咲いた。
よっしゃ、よっしゃ。これで帰れる!
時計の針は16時30分。まだ間に合う。
「はい、起立、礼!」
今日の日直を担当していた奴が、号令を荒々しく言う。
待ってました! という感じで、皆が勢い良く立ち上がり、軽い礼をした。
「さよならー!!」
机の上に置いて、準備をしていた鞄を手に持つ。皆、声を合わせて挨拶をした。
ホームルームが終わると一斉に生徒達は走り出す。
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