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2人は慌ただしく親に簡単な説明を済ませ、最寄り駅から電車に乗った。
「意外に混んでるんだな」
晶が混みあっている電車内に対して呟いた。
「いつも、空いてるのにな」
裕也も頷きながら、本来の電車内を思い出す。
2人が住む場所は西にある地方で、田んぼだらけの田舎だ。各駅に停車するという所謂、鈍行列車。都会みたく特急も急行もない。
いつもなら、スカスカの電車内なのに花火の影響で、これまでに増えるのかと驚いてしまう。
こんな時に都会の速い電車が羨ましく感じた。
まあ、都会は毎日が満員電車か、と浮かんで首を横に振る。
やっぱり田舎が1番。
慣れない満員電車に押し潰されながらも、2人は花火の場所まで乗り切ろうとした。
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