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ようやく花火が一面に見える場所を見つけた。
晶も裕也も、夏の気温や走りっぱなしで足がクタクタだ。
「はぁ、はぁ」
裕也は息を荒らげる。足の裏に痛みを感じながら、河川敷で空を見上げた。
ヒュー、ドンっ! ドンっ!
「花火だっ!」
晶は体力がある方だから、すぐに立ち直り花火に喜んでいた。
青い色の次は、赤い色の花火が重ね重ねで空に広がる。様々な色合いで、形は丸い以外も照らし出した。
「デカイな! うわぁ!」
息を整え、花火を味わう。花火の偉大さに声を荒らげ、花火のせいで耳がキーンっとなる。
地味に疲れるけれど、それも風流なんだと理解した。
花火が終わるまで、晶は掴んだ腕を離してはくれなかった。
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