何故?

3/3
120人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
 (まい)は遠慮がちに、たち膝でそろりそろりと側によって来て、俺の前でとまり、頬をほんのりと赤らめ、「こんなこと、こだわることないのに…」と消え入りそうな声でいう。  そう言って、なかなか俺のもとに入って来ない(まい)の腕を引き寄せ、膝の上に座らせ抱きしめた。    (まい)は安心したのか、俺の首もとに顔を埋め、耳の後ろ髪あたりに鼻を押し付け、小さくクンと呼吸をして、はぁっと息を吐く。  俺は(まい)の髪に指を滑べらせ首、肩、背中をなぞる。  それに反応するかのように(まい)は身体を仰け反らせ、ゆっくりと身体を倒した。俺は、(まい)の上に身体を重ねた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!