何なのよ!

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いつもの無表情な顔なのに、ほんの少し、頬を染めて学君は言った。 ぎゅうううう。 久々なこの胸の痛みを気づかないようにした。 気づきたくない、気づいてしまったら私は、 「何、いきなり。」 態度や言葉で私の動揺がばれないようにしたら冷たい言い方してしまった。今日は余計に嫌なことがあったヵら余計に学君に八つ当たりしているようで嫌になる。 「一緒に美味しいもの食べに行きませんか?」 嫌な顔せず、けど嬉しそうな顔せず学君は淡々と言う。 「・・・だから、そういうのは若い子同士で行きなさいよ。」 また冷たく言ってしまう自分に嫌になる。これ以上冷たい言葉をぶつけたくないし、言いたくない。今日の自分は頑張った分、すごく脆いのだ。それでも学君は嫌な顔せず、 「いつも頑張っている里佳子さんと行きたいんです。」
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