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「里佳子さん、こっち!」
学君を待ち合わせの駅で探しているといきなり誰かに腕を引っ張られた。それが学君だった。こうやって待ち合わせするなんて、傍から見たらどんな関係に見られているのかな。・・・姉、弟ね!そう思うことにした。そうしたら人目は気にしなくなった。
私は久々に休日を誰かと過ごすことになったのだ。しかも男で年下。歳は6個も離れているし。
「なんか嬉しいです。」
学君はいつもの無表情で学君の肩位の背の私を見る。
「嬉しそうに全く見えないけど。」
この無表情のどこにも嬉しさが見えないのだが?するといきなり学君は自分の口元をつり上げるようにして持つ。・・・にっこりというよりちょっとした変顔だ。
「嬉しいですよ、本当に。デートみたいだなって。本当にデートだったらいいのになって思います。」
学君を恋する対象に見ていない私は、ただその言葉を返せないでいた。
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