36人が本棚に入れています
本棚に追加
「このイベント、どれもとっても美味しいスイーツばかりなのですが・・・。」
学君は口元だけ意地悪く笑う。
「何よ!もったいぶらないではっきり言いなさいよ。」
「食べすぎないでくださいね?」
私は思いっきり学君の腕を叩く。そりゃ、学君と比べたら、26の私なんてアラサーのおばさんだけど、
「若いあんたと違って代謝は歳を重ねるたびに衰えていくけどね、私は食べた分は運動なり、食事だって考えて取るから大丈夫なのよ。それにね、この貴重な機会をね、心行くまで体験しないほうが愚かなのよ。」
私が強く言い返すと、
「里佳子さんといると楽だなあ。」
隣歩く学君はまっすぐ前を見て歩きながらぽつりと言った。
「楽?」
「俺、相手に気、遣うのも、気、遣われるのもなんか苦手で。だから思ったこと、ポンポン言えるっていいよなって思うんですよ。好きな相手だからこそ、自分の気持ち、しっかり伝えたいんだ。」
私と話してるときはうまく呼吸ができてる気がする。
そういう学君はいつも私の知らない学校生活とかどう過ごしてるのかなって思った。
最初のコメントを投稿しよう!