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って、なんでこの子のこと知りたいって思ってるの、私!
私は学君の無表情だけど、整ってる顔を見上げる。
「え、何ですか?」
・・・この子は、本当に勿体無い。背だって高いし、ひょろってしてるけど筋肉はついてるし、服のセンスも悪くない。おまけに料理もできる。
「いや、勿体無いなって。学君さ、その少し、長い前髪上げて見なよ。」
学君は不審な顔を見せながらも素直に前髪を上げてくれた。
「やっぱ、そっちがいい!あと、笑ったらもっといいよ。」
そう褒めたのに学君は、前髪をさっと降ろし、私から顔を背けた。なんで褒めたのに逆の行動をするの?!
「追加!!もっと素直になりなよ!」
そう言うと、いきなり学君は私の手首を掴み、早歩きをする。私は学君の背を追いかける形になった
「俺、口も悪いし、愛想もないのは分かってるし、そう言われてしまうことはよくあるけどさ!俺、すっごい素直だよ。言葉にしなくても分かるくらいにさ!」
振り向いた学君の顔はこちらが照れてしまうくらい真っ赤だった。
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