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美味しくいただき、お会計を済ませ、駅に向かう。いつも乗る時間にいつもの倍の人数が並んでいた。どうやらこの時間の前の電車が運転を取りやめたのことで、久々に満員電車を味わうことになった。
「ついていないな・・・。」
まだ一日が始まったばかりなのに、ため息が出てしまう。学君に痛いところを突かれ、大っ嫌いな満員電車に乗る羽目になったのだ。文句を言ったり、ため息出ても仕方ないだろう。早く着かないかなあと降りる駅で開くドアのほうを見ると、なんと律がいた。あまりの満員に律は私に気付いていない。私だけが気づいている。
律は青いランチバックを大切に持っていた。律に直接聞いたわけではないけどあのお弁当は律の彼女・・・別れていなければ、いや絶対別れていないだろう、和田唯が作ったお弁当。
女の感はよく当たる。それにたまにランチバックを見る目は水族館で律が和田さんに向ける視線と一緒だからだ。
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