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私は律から目を外すことができなかった。
月日は確実に流れているのに自分はちっともあのときから動けていない。
律に「別れよう。」と言われた時から好きなのに離れなきゃいけないことがよく分からなくって、それなのに律はそれ以上何も言うことがないというように離れて行ってしまった。
そして水族館で会ったとき、「別れてよかった。」と言われた。
嫌いになれたらよかったのに。もうこんな奴の顔見たくないと思えればよかったのに。
今も律のことが好きと言うと友達はほんの少しだけすごいねと言い、残りの大半は次の恋しなよという。
「世の中、雪下よりいい男いっぱいいるでしょ?里佳子なら美人だから選び放題でしょ?」
よく言われる言葉。最後の言葉には少し毒が入っているような気がするのは私の気のせい?そして結婚した子には学生時代あんなに相談に乗ったのに適当な返事しか来なくなった。
誰かに相談しても心はちっとも晴れない。律のことを好きな気持ちはちっとも消えない。
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