何なのよ!

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何やってるんだろ、私。 そう零れ落ちた言葉に隣に立っているサラリーマンが振り返り、私は慌てて下を向く。私は普段、なるべく下を見ないように生きている気がする。下を向いたらいつもなんだか泣きそうになるから。 私だって、結構努力してるんだよ。友達や周りの人間に言ってやりたい。 でも言ったら負けなんだ。だから聞き流すようにしている。 律は同じ車両に乗っていても最後まで私に気付かなかった。 「里佳子、今夜暇?」 お昼休み、同僚の女の子たちが私のデスクに来た。普段、私は誰とも一緒にお昼を取らない。いつもひとりで、朝、簡単に作ったおにぎりを食べながら、本を読んで過ごしている。彼女たちが私に用があるときはこんな時くらいだ。もう何回もあるから分かっている。でも、顔には出さず、笑顔で、 「帰って、昨日録画したドラマ見ることぐらいかな・・・?あとは特にないよ?」 「それじゃあさ、お願い!今日、同期で飲み会開こうと思うんだけど来てくれないかな。そしたら男ども絶対参加すると思うんだよね。」 どうやら、私を餌にして同僚の男性たちを飲み会に引きずり出したいらしい。 「知子がさ、白木君のこと好きでね。くっつけさせてあげたいんだよ!・・・あ、もちろん、里佳子の飲み代はうちらが持つからさ!」 知子をいじりながら、言うみんな。友達思いに見えるかもしれない。美しい同僚関係に見えるかもしれない。でも知っているから。私の悪口言ってるの知っているから。 「いいよ、自分で払うから。気にしないで。」 せめて、利用されるのではなく自分から飲み会に参加しているんだと思わせて。
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